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植物ホルモンを極める③

2023年06月03日

皆さん、こんにちは!「高校生物を極める」シリーズ第三弾。今回は、「エチレンとフロリゲン」、この2つの植物ホルモンについて解説します。

 

※これまでの記事はこちら

植物ホルモンを極める①

植物ホルモンを極める②

 

さて、いきなりですがイメージトレーニングです。サクランボの木を思い浮かべてみてください。冬が過ぎ、春が来ると花を咲かせ、その花が結実して果実になり、それが熟して真っ赤な実が宿る。この一連の流れこそが、2つの植物ホルモン、「エチレンとフロリゲン」がコンビを組んで演出しているドラマと言えましょう。

自然の営みは偉大ですよ。世の中はチャットGPTによる、言語的コーディングがブームですが、、

4月、北口教室近くで。朝日通りのハナミズキ。風の匂いと路上駐車と。子猫に話しかける僕。

言語的な抽象度が低く、解像度が高い社会で起こる事。それは極めて主観的なものなのでしょう。

 

 

エチレンの働き

 

 

始めにエチレンです。皆さんは「エチレン」と聞いて何を思い浮かべますか?工業製品?プラスチックの原料?ポリエチレン。。実は、これが植物の世界では特別な存在なんです。

エチレンは植物ホルモンの中でも特異な存在で、一番の特徴は「気体である」ということ。エチレンは空気中を自由自在に移動し、植物の成熟や老化を促進します。お店で見かけるバナナが黄色く熟していくのも、エチレンの力なんです。冷蔵庫に腐った果物を入れておくと、他の果物まで腐ります。気を付けてね。「果実成熟のホルモン」 それがエチレンです。

 

 

 

フロリゲンの働き

 

 

次にフロリゲンについてです。フロリゲンは「花を咲かせるホルモン」とも言われています。その名の通り、主な役割は植物が開花するタイミングをコントロールすること。長らくその正体は謎に包まれており、「幻の植物ホルモン」と言われていましたが、その正体が「FTタンパク質」という物質であることが日本人の研究者により明らかになりました。(2005年 京都大学の荒木さん。)

このFTタンパク質は、長日植物では日照時間が長くなると葉で合成され、植物の体内を移動し花へと伝達します。これが到着することで初めて花は開花の準備を始めます。「植物が花を咲かせるための指揮者、小澤征爾」 それがフロリゲンと言えるでしょう。

 

果物の一生

 

 

春になると日照時間が長くなり、葉の中で2005年発見のFTタンパク質(フロリゲン)が合成されます。そしてこのフロリゲンが植物体内を移動し、ついには花へと伝達します。これがフロリゲンの「点火サイン」で、これを受けて花は開花準備を始めるのです。

花が咲き、それが受粉し、前回までで扱ったジベレリンの働きにより、子房が果実に変化します。そして、エチレンの出番です。エチレンは果実の成熟を促進し、実を美味しく熟成させるのです。その結果、我々は美味しいシャインマスカットを楽しむことができるわけです。

 

まとめ

 

エチレンとフロリゲン、一見全く関係なさそうなこの二つのホルモンが、実は植物の成長と繁殖のために大活躍しています。それぞれが役割を果たすことで、植物は次の世代へとバトンをつなぐことができるのです。最後になりましたが、植物という生命体がどのように成長し、どのように繁殖を行っているのかを理解する事はとても大切です。そしてそれは、生物学の世界をより深く理解するための一歩となるはずです。生物の世界は奥が深い。それを知ることで、きっと自然とのつながりを感じられるようになるはずです。

 

(甲府山手通校 K.K先生)

 

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