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植物ホルモンを極める!(高校生物)①植物ホルモン
2022年03月26日
こんにちは!「高校生物を極める」シリーズ第2弾、今回は植物ホルモンについてです。
皆さんは焼肉屋さんで「ホルモン」って注文したことありますか?焼肉屋さんでは、牛や豚の内臓全般、特に腸の部位の事を「ホルモン」と呼ぶみたいです。精肉として扱われない部位のほとんどが「ホルモン」として食べられるとの事。そして、胃袋は「もつ」。私はどちらかというと「ホルモン」や「もつ」よりも「タン」のほうが好きですね。でも、やっぱり肉はステーキかな。美味しいブランド牛ランキング上位の但馬牛がおいしいね。ところで美味しいブランド牛ランキングってなんなんだ。なんでも定量化すれば良いってもんでもない。感性が大事です。
植物ホルモンの種類
さて、高校生物で学習する植物ホルモンは以下の6つです。
アブシシン酸 ジベレリン オーキシン サイトカイニン エチレン フロリゲン
今回はこの中のアブシシン酸とジベレリンについて書いていきます。
種子の休眠の誘導
被子植物では重複受精が行われた後、「受精卵は胚」に、受精した「中央細胞は胚乳」となり、「胚珠は種子」となります。まわりに種皮が形成されて、成熟した種子が出来ます。この状態で種子は休眠します。休眠とは水、酸素、適温に加えて他の環境要因が加わらないと発芽しない状態の事を言います。
この時に働いているのが、アブシシン酸です。アブシシン酸は休眠に関係するDELLAタンパク質の合成を調節して、休眠を維持します。アブシシン酸のせいで種子は発芽できないのです。。
アブシシン酸のその他の働き
アブシシン酸には他にも様々な働きがあります。例えば、気孔の閉鎖、成長の抑制。また、同じ植物ホルモンの一種であるエチレンの合成を誘導して、落葉、落果にも関与します。
休眠、気孔の閉鎖、落葉、落果.。どちらかというとアブシシン酸はマイナスイメージの植物ホルモンですね。元気ないよね、アブシシン酸。
アブシシーン、アブシシーンって元気なく10回唱えてください。
ジベレリンによる休眠打破
種子の周りは糊粉層というカバーみたいなものに囲まれています。この糊粉層には先ほど触れたDELLAタンパク質という、種子が発芽するためのエネルギー源であるアミラーゼ(糖)の合成遺伝子の転写を抑制する働きがあります。糖の合成が抑えつけられて、発芽できないのです。
一方、ジベレリンはDELLAタンパク質を分解し、アミラーゼの転写抑制を無効化します。その結果、アミラーゼの合成が促進され、発芽するのです。これを休眠打破といいます。
ジベレリンのその他の働き
ジベレリンも他に色々な働きがあります。まず、植物の伸長成長の促進。ジベレリンは細胞壁を取り巻くセルロース繊維が横方向に巻きつくのを促進します。結果として、植物は縦方向に伸長成長していく事となります。また、単為結実の働きもあります。これは、山梨県民としては知らないといけません。おまん、種なしブドウの話ずら。子房は受精後に発達して果実となるけど、ジベレリンは受精しなくても子房を発達させるずら。果実を肥大化させる性質があるずら。ほんで、ブドウの開花前と後でジベレリン処理を行って、種なしブドウをつくるずら。それが単為結実ずら。すげぇずら。ほうずら。とんでけし。
休眠打破、伸長成長、単為結実。プラスイメージですね。シャキッとしてるね、ジベレリン。
ジベレリン!ジベレリン!これは背筋を伸ばして、姿勢よく10回唱えましょう。
まとめ
今回は植物ホルモンのアブシシン酸とジベレリンについてでした。アブシシン酸は元気がない印象、ジベレリンはシャキッとした印象でしたね。残念ですが、イメージでは得点できません。仕組みを理解し、細部まで覚えましょう。仕組み→結果の流れを抑える事がとっても大切ですよ。
でもね、人間の豊かさの源泉は感性ですよ。それは忘れないでね!
(甲府山手通校 K.K先生)