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古典文法解説②~「ね」の識別編~
2024年01月27日
前回は助動詞「ぬ」の識別(リンクはこちら)について説明しました。
今回は「ぬ」の識別と一緒に説明されることが多い「ね」の識別について書いていこうと思います。
はじめに
前回説明した「ぬ」とは違い、言い切りの形が「ね」となる助動詞はありません。
先ほど「ぬ」と一緒に説明されることが多い、と言いましたが、それには理由があります。
まずは「ね」について確認してみましょう。
打消の助動詞「ず」の已然形「ね」(未然形接続)
完了の助動詞「ぬ」の命令形「ね」(連用形接続)
いかがでしょうか。前回に続き打消の助動詞「ず」と完了の助動詞「ぬ」が出てきました。単語の組み合わせが同じなので「ぬ」と「ね」はまとめられてしまうわけですね。
実は、識別をするポイントも同じです。「ぬ」と同様、接続と活用形に注目します。
【識別のポイント】
「ね」の上につく単語が未然形なら打消、連用形なら完了
「ね」の活用形が已然形なら打消、命令形なら完了
このポイントをしっかり記憶してください。では、具体例をあげて確認していきましょう。
①接続で判断する場合
例・風波やまねば、なほ同じ所にとまれり。
まず「ね」の上につく単語に注目します。
「やむ」はマ行四段活用の動詞なので、「やま」が未然形だとわかります。未然形接続の「ね」なので、打消です。
②活用形で判断する場合
例・もとの御かたちとなり給ひね。
「。」がついているので、文末にあたります。命令形は文末にくるので、この「ね」は命令形です。命令形の「ね」は完了です。
※ただし係助詞「こそ」があると、文末が已然形になります。その場合はもちろん打消の「ね」ほうです。
おわりに
前回・今回で「ぬ」と「ね」の識別を説明しました。どちらも同じ助動詞の組み合わせなので混乱してしまうかもしれませんが、しっかり区別して覚えるようにしてください。正確にインプットすることができれば、正確にアウトプットすることもできます。
文法は、覚えて終わりではありません。覚えてからが始まりです。古文は読まないと解けません。読むためには文法が必要です。覚えてから、やっと古文の読解が始まるのです。今回のブログが、皆さんの「始まり」の助けになれば幸いです。
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