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世界史地域史攻略法-中央アメリカ史(メソアメリカ文明)編
2023年04月29日
第1回「世界史地域史攻略法-東南アジア史編(~18世紀)①」はこちら
第2回「世界史地域史攻略法-東南アジア史編(~18世紀)①」はこちら
第3回「世界史地域史攻略法-アフリカ史編」はこちら
今回は16世紀頃までの中央アメリカ史、メソアメリカ文明を見ていきましょう。
メキシコは正確には中央アメリカに含まれませんが、歴史的・地理的観点からメキシコ地域を含んだ中央アメリカ史とします。
メソ=アメリカ文明とは、北アメリカ大陸のメキシコ高原からユカタン半島にかけて興った古代文明の総称です。地図で確認してみましょう。
…成長が見えない地図です。雰囲気だけでもつかんで下さい。
一方、南アメリカ大陸の太平洋沿岸地域やアンデス山脈の高地周辺に登場した文明を、総称してアンデス文明といいます。アンデス文明については次回説明します。
インディオと呼ばれる先住民はモンゴロイド系と言われており、ユーラシア大陸からベーリング海峡を渡って南北アメリカ大陸に広がったとされています。この両文明での具体的な共通点は、
(1)トウモロコシ・ジャガイモ栽培を中心とする農業
(2)馬や牛のような大型獣は存在せず、リャマ・アルパカの小型家畜を飼育(アンデス文明)
(3)金・銀・青銅器は利用されたが、鉄器は存在せず
(4)車輪は使用されていない
(5)高度な石造技術(ピラミッドなど)
アメリカ大陸からもたらされた農作物としては、他にサツマイモ・トマト・トウガラシ・タバコなどがあります。ポリネシアへのサツマイモの伝播はちょっとロマンがあります。詳しく知りたい人は『コン・ティキ号探検記』を読んで下さい。鉄器が存在しない点、車輪が使用されていない点はよく狙われます。車輪もその原理は知られていたが実用化されなかったと言われています。
一方、相違点は
メソアメリカ文明には絵文字はあるが、アンデス文明には文字がない
メソアメリカ文明には初期から絵文字がありましたが、アンデス文明には文字が存在していません。代わりに、インカ帝国には結び目で数量を表すキープ(結縄)がありました。
それでは、個々の文明を見ていきましょう。
オルメカ文明は、BC1200年頃メキシコ湾岸に成立した、メソアメリカ文明の基礎となった文明です。特徴としては、巨石人頭像・絵文字・ジャガー信仰などがあります。ジャガーは北・南アメリカ大陸に生息する最大のネコ科の肉食獣で、中南米全体にジャガー信仰があります。
かつてブラジルを旅していたとき、現地ガイドに「夜、森の中を散歩してはいけないよ。ジャガー出るから(笑)」と言われたのは良い思い出です…真っ暗な森を散歩しねぇよ!
オルメカ文明の影響がユカタン半島に伝わってBC1000年頃に成立したのが、マヤ文明です。特徴としては、マヤ文字(絵文字)・階段ピラミッド型神殿・二十進法(とゼロの概念)・天文・暦法(マヤ暦)などがあります。マヤ文明で階段ピラミッド型神殿といえば、チチェン=イッツァ遺跡です。遺跡には天文台もありました。またマヤ暦は太陽暦です。
…マヤ文明って様々なところに登場しますよね。マヤ暦なら占いとか2012年人類滅亡説とか(笑)。数年前には、「カナダの少年がGoogle Earthで古代都市を発見」というニュースが世界中に流れました。実際はトウモロコシ畑だったようですが。マヤ文明には様々な謎があります。他にもマヤ文明だけでなく古アメリカ文明では生贄を神に捧げる人身御供の儀式がよく行われていました…もう、月刊『ムー』好きにはたまらない世界!!
オルメカ文明の影響がメキシコ高原に伝わってBC1世紀頃に成立したのがテオティワカン文明です。名前だけでも覚えて下さい。
アステカ人によって14世紀メキシコ高原に成立したのがアステカ王国です。都はテノチティトラン。現在のメキシコシティになります。ちなみにメキシコシティの標高は約2240m、結構高いです。1521年スペイン人の征服者(コンキスタドール)コルテスによって滅ぼされました。
メソアメリカ文明に関しては以上になります。他にも様々な文明がありますが、細かくは狙われないかと思います。
次回は南アメリカ史、アンデス文明になります。個人的に南米はワクワクするところなので…余談が爆発したらごめんなさい!
(甲府山手通校 T.H先生)
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