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桃の節句『ひな祭り』の歴史と込められた願い
2022年02月26日
3月3日は「ひな祭り」。
女の子のいるご家庭では定番のお祭りとして、雛人形を飾ったり、美味しいちらし寿司を食べたりと、女の子の成長をお祝いする大切なイベントのひとつです。
しかし、なぜこの時期に女の子のためのお祭りをするのでしょうか。
今回は、そんなひな祭りに関するお話をご紹介していきます。
ひな祭りの由来と歴史
ひな祭りの歴史は古く、ときは平安時代までさかのぼります。
当時、人々は無病息災を願い上巳(じょうし、じょうみ)の節句を行っていました。上巳の節句とは、陰陽師を招き、祈りや供物を捧げることで厄を払うとし奇数が重なる3月3日に行われていたのです。
その儀式のなかには、「流し雛」というものがあり、人形を川に流すことで厄も流されると考えられていました。
また同じくして平安時代の貴族たちのあいだでは、「雛遊び(ひいなあそび)」といい、いわゆるお人形遊びが子どもたちの主流の遊びだったそうです。
いつしか、「上巳の節句」と「雛遊び」が結びつき、今のひな祭りの起源になったというのが有力な説です。
雛人形の意味
近年の住宅事情では、2~3段の「出飾り」や男雛、女雛だけの「親王飾り」が一般的な形ですが、本来雛人形は7段で総勢15名が典型的な構成となっています。
雛人形は、平安時代の宮中の様子を表しており、最上段から、男雛、女雛、三人官女、五人囃子、右大臣・左大臣、仕丁・衛士、そして5~6段目にはお化粧箱などの嫁入り道具が飾られます。
本来、雛人形は厄除けの意味があり、女の子を厄から守るためのものとされていましたが、江戸後期には娘の嫁入り道具として代々受け継がれ、その見た目も次第に華やかな装飾で着飾れるようになったそうです。
最上段の二人は「お内裏様とお雛様」じゃないの?
ひな祭りのうたのなかにも「お内裏様とお雛様」といった歌詞がありますよね。
最上段にいる二人のことだと思われている方も多いのではないでしょうか。しかし、実はこの歌詞には誤りがあるのです。
内裏(だいり)とは、天皇の私的区域のことを指します。御所、禁裏、大内なども内裏と同じ意味です。ですので、歌詞の「お内裏様」は天皇陛下のことではなく、天皇が住む場所という意味になってしまうです。
また「お雛様」も同様に、皇后様のことだと思いがちですが、そうではありません。
平安時代では、紙や布でつくった人形を「雛(ひいな)」と呼んでいました。「ちいさくてかわいい」といった意味が込められており、貴族の子供たちはよく雛で遊んでいたそうです。お雛様は皇后様ではなく人形のことだったのです。
最上段にいる雛人形の正しい呼び名は、「男雛(おびな)」「女雛(めびな)」といい、ひな人形全体を指して「お雛様」と呼ばれます。
一般的なひな祭りの風習
ひな祭りは本来、女の子の健やかな成長を願うことを目的としています。
そのため、3月3日にはお祭りの一種として、雛人形を飾るほかに豪華な食事が振る舞われます。なかでも、ひな祭りの際に食べる定番料理、ちらし寿司やハマグリのお吸い物、菱餅のほか、ひなあられなど食卓に並ぶ豪華なお料理はどれも目が離せませんよね。
これらの料理にもそれぞれ願いが込められているのです。
≪ちらし寿司≫
ちらし寿司の具材は地域により異なり、さまざまな食材で彩られています。
なかでも代表的なエビ、れんこん、豆は『長寿』の象徴として、末永く健やかに過ごせるようにといった意味が込められています。
≪ハマグリのお吸い物≫
お吸い物に入ったハマグリは、ぴたりと貝殻が重なる貝の見た目から、将来いつまでも仲の良い夫婦でいられますようにという意味が込められています。
≪菱餅・ひなあられ≫
菱餅の色といえば、ピンク、白、緑ですよね。色の原料はクチナシとヨモギを使っており、これらの植物は邪気を払うとされていました。ひなあられの配色も同様です。
ちなみに、ひなあられですが実は関東と関西で味も見た目も異なるのをご存知でしょうか。
関東は米粒型の甘く味付けをしたポン菓子のような見た目をしており、一方関西では丸く醤油や塩で味付けされたものが主流なのだそうです。
機会があれば、ぜひ食べ比べてみてくださいね。
(参考資料:京都調理師専門学校『ひなまつりとは?由来と定番料理をご紹介』)
いかがでしたでしょうか。
ひな祭りは女の子の成長を願い幸せな人生を歩めるようにと、ご家族の願いが込められた大切な行事です。もしご家庭に雛人形がある方は実際に触れてみて、ひな祭りの素晴らしさを感じてみてはいいかがでしょうか。
(参考資料:Wikipedia『雛祭り』)