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2月の異称『如月(きさらぎ)』の意味と語源について知ろう!
2022年02月02日
皆さんは「如月(きさらぎ)」という言葉をご存じですか?
普段の会話ではあまり聞き馴染みのない言葉ですが、意外と目にする機会はあるかと思います。例えば、カレンダーに載っていたり、俳句に使われていたり、キャラクターの名前だったり…思い当たるものはありましたか?
如月は2月を指す異称のひとつです。何故、2月は「如月」というのでしょうか。
今回は「如月」の意味とその由来についてお話していきます。
そもそも月の異称ってなに?
2月は「如月」、12月は「師走」といったように、月によって異称は異なります。このような名称のことを旧暦月名といい日本では“和風月名”とも呼ばれています。
旧暦とは、太陰太陽暦(たいいんたいようれき)のことで、月の満ち欠けに沿って日付を決める太陰暦と、太陽の運行に沿って日付を決める太陽暦を組み合わせたものとなります。
明治初期ごろまでは、この太陰太陽暦によって日付が決められていました。
しかし、明治6年には法律が改定されて従来の太陰太陽暦ではなく、古代エジプトが起源となるグレゴリオ暦が採用されたため、太陰太陽暦は旧暦として現在ではあまり使われていません。
その旧暦時に月ごとの区切りとして呼ばれていたのが旧暦月名(和風月名)なのです。
『如月(きさらぎ)』の意味と語源
2月を指す「如月」。音の響きもよく、澄んだ印象を与えます。
人によっては、かっこいい、きれいだと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
如月という漢字は、中国での月名をそのまま使用したもので、本来「きさらぎ」とは読みません。中国最古の辞書『爾雅(じが)』によると、「2月を如となす」と記述があり、「厳しい冬が終わり、草木や自然などの万物が動き出す季節」といった意味が込められています。
異称は旧暦とともに中国から日本に伝わったのち、従来の漢字と季節にちなんだ語源が組み合わさったのだとされています。
そして如月の語源となる「きさらぎ」は所説あり、例えば「木更着(寒さゆえに、着物を重ねて着たという意味)」がもとになっている説もあれば、「生更木(暖かい日差しに向かい草木が生えるという意味)」のほか「気更来(冬を越し、天気が良く陽気がさらに増すといった意味)」など、さまざまな由来があります。
漢字としての由来と語源の由来はそれぞれ異なりますが、どちらも厳しい冬を超えて、春の訪れを感じる季節だということがわかりますよね。
2月の別名・異称はほかにもある
如月のほかにも2月にはさまざまな別名・異称があります。
- 令月(れいげつ)…物事を行うのに良い月で、めでたい月のことをいいます。万葉集の歌にも使われており、新元号「令和」の「令」はこの歌のなかにある令月が由来となっています。
- 仲春(ちゅうしゅん)…初春と晩春のあいだの季節のことをいいます。それらの総称を「三春」といい初春から順に、仲(中)春、晩春と季節は流れていきます。仲春は2月頃を指します。
- 恵風(けいふう)…あたたかい春の風、自然物にめぐみを与える風という意味です。
- 梅見月(うめみづき)…梅の花が咲く季節のことをいいます。旧暦の2月は現在でいうと2月下旬から4月上旬頃とされていました。
いかがでしょうか。
如月、恵風、梅見月…と、2月の別名には冬から春への季節の移ろいを感じ、暖かい日差しを浴びて草木が芽吹いていく、そんな表現が多く感じ取れますね。また、「立春」という言葉があるように、2月は1年のはじまりとされています。
心機一転、気持ちを切り替えて新しいなにかを始めてみるのもいいですね。
受験真っ盛りの学生さんにとっては、とても大事な時期ではありますが、ときには休憩がてら外に出て春の訪れを感じてみてはいかがでしょうか。