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年に5回食べていた!?【おせち】の歴史と世界の正月料理事情
2021年12月31日
毎年当たり前のように食べている「おせち料理」ですが、その由来や意味はご存じでしょうか?今回は「おせち料理」の歴史と世界の正月料理についてご紹介します。
おせち料理の起源
おせち料理の始まりは、縄文時代の終わりに稲作とともに中国から伝わった「節供」という神様への感謝として作物を備えた風習に由来します。
「節供」の「節」とは、中国の唐の時代の暦法で定められた、邪気を払う季節の変わり目の日のことです。
日本でも平安時代に一年で5回、宮中で「節日」に邪気を払う宴会「五節句」が催されていました。当時は「五節句」で振舞われる料理のすべてが「御節供(おせちく)」と呼ばれており、この料理が今のおせち料理の原形となりました。
おせち料理の庶民への広まり
江戸時代になると、人日の節句の1月7日、上巳の節句の3月3日、端午の節句の5月5日、七夕の節句の7月7日、重陽の節句の9月9日の「五節句」は祝日として定められ、幕府の公式行事として位置付けられました。
祝日となったことで、「五節句」に豪華な料理を振舞うのが一般的になりました。
そして、江戸時代後期に「五節句」の中で新年を迎える最も重要な1月7日の節句の料理が正月料理として定着し、大みそかにおせち料理を作り、新年を祝うために家族揃って食べるものとなりました。
ところが、正月料理がおせち料理と呼ばれるようになったのは第二次世界大戦後のことです。それ以前は関西では「蓬莱(ほうらい)」、江戸では「食積(くいつみ)」と呼ばれていました。
長い歴史を経て今の形になったおせち料理ですが、今後も内容や呼び名が変化していくかもしれませんね。
おせち料理に込められた意味
黒豆 邪気を払い、まめに働くことや健康に過ごせることを願う。
数の子 ニシンの卵である数の子は数が多いことから子孫繁栄を願う。
田作り 昔は田畑の高級肥料として片口イワシが使われていたことから、五穀豊穣を願う。
紅白かまぼこ 日の出を表す形で縁起が良く、赤は慶び、白は神聖の意味を持つ。
昆布巻 「喜ぶ」にかけて縁起をかつぎ、健康長寿を願う。
伊達巻 書が巻物にされていたことから、知識が増えることを願う。
栗きんとん 黄金色をしていることから財宝にたとえられ、金運を呼ぶ。
煮しめ いろいろな食材を一緒に煮ることから、家族が仲良く結ばれますようにと願う。
一品一品、願いが込められた料理を重箱に詰めることで「箱を重ねる=めでたさを重ねる」という意味が加わり、さらに縁起の良さがアップ!昔の日本人は縁起を担ぐことをとても大切に考えていたことがわかりますね。
海外のお正月は何を食べる?
ここで、他の国ではお正月にどんな料理を食べているのかを見てみましょう。
*フランス
公現節(主に1月6日)というキリスト教の記念日のお祝いに、アーモンドクリームが入った「ガレット・デ・ロワ」というパイ菓子を食べます。最近では日本でも見かけるようになったので、食べたことがある方もいるかもしれませんね。
パイの中にフェーブと呼ばれる人形がひとつだけが入っており、皆で取り分けて食べた時に自分のパイにフェーブが入っていたら、幸せな一年が送れるという言い伝えがあるそうです。おみくじみたいで楽しいですね。
*イタリア
年越しのカウントダウンをしながら「コテキーノ」や「ザンポーネ」という大きいソーセージにレンズ豆を添えた料理を食べます。
豚肉には健康祈願、レンズマメには金運アップの意味があるそうですよ!
*ギリシャ
お正月に粉砂糖やチョコレートでデコレーションされた大きなパウンドケーキ「ヴァシロピタ」を食べます。
中にコインが入っており、切り分けた時に誰のケーキに入っているのかドキドキ!
コインが入っていた人はその一年幸運に恵まれるそうです。
中国や韓国など日本の近隣ではお餅を食べる国が多いようです。
どの国でも新しい一年の幸せを願う気持ちは同じですね!
おせちで食育!子供と一緒につくってみよう♪
それでは最後に、親子でチャレンジできるおせち料理をご紹介します。
*田作り
片口イワシを炒って、煮詰めたタレに絡めるだけでできるので意外と簡単そうです。
甘い味付けなので、一緒に作りながら味見をすれば、魚が苦手なお子さんでも食べてくれそうですね。
*黒豆
長時間煮込むので大変そうに思いがちですが、実はレシピはシンプル。
水に戻した豆の灰汁を取りながら煮込みます。
豆が膨らんだり、灰汁が出たりする様子を実験気分でお子さんと観察しながら作ると楽しそうですね。
*栗きんとん
子供が大好きなおせちメニューのひとつ。市販の甘露煮を使えば時短&簡単!
煮たサツマイモを裏ごしして砂糖を加え、練り上げ、最後に栗と合わせ混ぜて出来上がり。
裏ごしや練る作業は小さなお子さんでもお手伝いしやすそうですね。
ネットで検索すると親子で作れそうなおせちレシピが出てきますので、是非探してみてくださいね。
以上、おせち料理にまつわるあれこれをご紹介しました。
昔も今も、そして世界のどこでも、新しい年の幸せを願う気持ちは変わらないですね。
日本ならではの文化であるおせち料理。その意味合いとともに味わいながら、よいお年をお迎えください。