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数学Bの統計的な推測についての注意点

2024年12月28日

 

今年で新学習指導要領が3年目となり、いよいよ2025年1月に新課程で初となる共通テストが開始されます。そこで今回は、数学Bで必修となった統計的な推測の分野での注意点などを述べていきたいと思います。

 

1.信頼度95%

 ある標本から母集団の母平均や母比率の推定を行いたいのが、高校数学での1つの目標となります。その中で、母平均mに対する信頼度95%の信頼区間を求めることをします。

 

 信頼度95%とは「母集団から標本をとってきて、その平均から信頼度95%の信頼区間を求める、という作業を100回やったときに95回はその区間の中に母平均mが含まれる」という割合を示します。

 

 よくある間違いとして、母平均が95%の確率で信頼区間の中に入っていると勘違いする人が多いです。母集団は決まっていてあらかじめ母平均mが定まっているけれど分からないという状況下ですので、母平均mは確率によって左右される値ではないことに注意しましょう。

 

2.仮説検定の考え

 ある仮説を立て、その仮説が正しいかを判定する方法です。

主張したい仮説H1を対立仮説、それに反する仮説H0を帰無仮説といいます。

基準となる確率(有意水準)を定め、仮説H0に基づいて棄却域を求めます。

標本から得られた確率変数の値が棄却域に入れば仮説H0を棄却し、仮説H1が正しいと判断できます。

一方で、棄却域に入らなければ仮説H0を棄却しないことになり仮説H1は正しいと判断できないと結論づけます。

 

 注意なのは最後です。仮説H0が棄却されない時は直ぐに仮説H0が正しいと判断できるとは言えません。他のより多くのデータや情報を待って新たな仮説検定から判断をします。

 

3.第1種の過誤と第2種の過誤

 1つは、仮説H0が本当は正しいのにも関わらず,得られたデータが棄却域に入ってしまい、仮説H0を棄却してしまうことがあります。これを第1種の過誤といいます。有意水準をできる限り小さくすればこれが起こる可能性は少なくなります。

 

 もう1つは、仮説H0が本当は誤りにも関わらず、得られたデータが棄却域に入らなかったために、仮説H0を棄却せず採択してしまうことがあります。このような誤りを第2種の過誤といいます。

 

 この2つの過誤に注意をしながら、仮説検定で得られた結論を扱う必要があります。

 

4.両側検定と片側検定

 

棄却域を分布の両側に設定して行う仮説検定を両側検定といい、

棄却域を分布の片側に設定して行う仮説検定を片側検定といいます。

 

使い分けですが……

対立仮説H1として、「帰無仮説で仮定した値でない」場合は両側検定

対立仮説H1として、「帰無仮説で仮定した値より大きい(小さい)」場合は片側検定

を行うと良いでしょう。

 

(例)コインに対して…

  対立仮説H1「表と裏に偏りがある、つまり確率p≠0.5」→両側検定

  対立仮説H1「表が出やすい、つまり確率p>0.5」→片側検定

 

 片側検定では、p≧0.5を前提としていることに注意しましょう。

 

最後に…

 統計的な推測は2015年センター試験数学2Bから選択問題として出題されていますが、仮説検定は今回の新課程から新たに採用された事柄です。出題される可能性が十分に高いので注意が必要です。(最新の模試でもこぞって出題されているようです。)また、数学1Aでも仮説検定の考え方は必修ですので、気をつけたいところです。  

 

(韮崎駅前教室 R.T)

 

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