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高校古文入門 「児のそら寝」

2024年05月11日

 

新学期の始まりから早いもので一ヶ月、GWの連休も終わりそろそろ中間テストの準備に取り掛かる頃ですね。

中学生と異なり、高校一年生から国語は「現代の国語」と「言語文化」の2科目に分かれます。「言語文化」では上代から近代以降の文学的な文章を扱いますが、簡単に言うと【近代以降の文学的な文章】【古文】【漢文】を学ぶことになります。

古文、漢文となると、「難しい」「よく内容が分からない」など、苦手に感じ学ぶ意味を見出せない生徒さんもいますね。どちらも時代や国の違いはあれども、同じく人間が人間の営みを記した物ですから、まあそんなに難しく考えずに、まずは読み物として楽しんでもらえると良いかなと思います。

 

そんなことで、今回はだいたいどの教科書でも扱われている『宇治拾遺物語』児のそら寝について、「あらすじ」と「児(ちご)の心」を本文中からおさえていきたいと思います。

 

あらすじ

昔、比叡山のお寺に児(幼い子)がいました。ある夜、僧たちがぼた餅を作ることを聞き、自分も食べたくて仕方ないけれど、出来上がるまで寝ないで起きて待っているのもきまりが悪いなぁと思って、部屋の隅で寝たふりをし僧たちが起こしてくれるのを待っていました。僧のひとりが起こしてくれましたが、一度の呼びかけで起きて返事をするのは、待っていました!と思われそうで恥ずかしく思い、もう一度起こしてくれるのを期待し我慢して寝ていました。すると僧たちがむしゃむしゃと餅をおいしそうに食べる音が聞こえたので、そこで仕方なしに随分と後になってしまったけれど「はい!」と返事をしたところ、周囲の僧たちは大笑いしました。

 

※心にスポットを当て解釈しているので超訳です(^^; 該当する語句の訳は赤字にしています。

正式な口語訳は、授業ノートやKATEKYOの先生の教わった訳を参考にしてくださいね。

児の心の動き

1.心寄せに聞きけり。⇒【ぼた餅食べれるのかぁ♡と期待してわくわく】

2.さりとて、しい出さむを待ちて寝ざらむも、悪かりなむ ⇒【とは言え出来上がり待ちして、寝ないのも恥ず  かしくない?みっともなっとりあえず寝たふりしとこ】

3.定めておどろかさむずらむ⇒【きっと僧たち起こしてくれるでしょ👍☆】

4.うれし⇒【うれしーーー!!やっと起こしにきてくれた!】

5.ただ一度にいらへむも、待ちけるかともぞ思ふ⇒【いやっ、まてまて。一度で返事しちゃったら待ってました感強くない!?寝たふりってバレちゃうじゃん】

6.今一声呼ばれていらへむ⇒【それならもう一度起こされてから返事しようっと。それまで起きるのは我慢がまん・・・。】

7.あなわびし ⇒【あぁぁぁぁ困ったなぁ

8.今一度起こせかし⇒【もう一度起こしてくれよぉーーー】

という感じで、児の心の内はだいぶ目まぐるしいですね。子どもながらに、ぼた餅を食べたがっているのがバレたら何だか気恥ずかしいと思っているところが可愛らしいし、現代の私たちにも共感できる気持ちではないかなと思います。

 

このように、遥か遠い昔の私たちの御先祖様かもしれない方たちの日常生活について、ちょっと覗いてみる感じで、古文・漢文に親しみをもって学んでくれたらうれしく思います。

 

(甲府駅北口校 M.I先生)

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