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古典文法解説③~「る」と「れ」の識別編~

2024年02月10日

前回は「ね」の識別(リンクはこちら)について説明しました。

今回は「る」「れ」の識別について説明したいと思います。

 

はじめに

古文を解くときによく見かける「る」「れ」ですが、まずはどのような「る」「れ」があるのか整理してみましょう。

 

◎自発・可能・受身・尊敬の助動詞「る」(未然形接続

◎完了・存続の助動詞「り」(サ変動詞の未然形・四段動詞の已然形接続

◎活用語の一部(「受くる」「受くれ」など。上二段・下二段動詞や助動詞に多い)

 

気づいたかたもいるかもしれませんが、実はこの3つは接続で識別が可能です。

つまり、上につく単語に注目するだけでわかってしまうわけですね。まとめると、以下のようになります。

 

【識別のポイント】

「る」「れ」の上につく単語が

①未然形なら自発・可能・受身・尊敬の助動詞「る」

②サ変動詞の未然形・四段動詞の已然形なら完了・存続の「り」

③動詞や助動詞の一部があれば「活用語の一部」

 

これを、もっと簡単にまとめ直すと

 

「る」「れ」の上につく単語が

①ア段音なら助動詞「る」

②エ段音なら助動詞「り」

③ウ段音なら活用語の一部

 

となります。だいぶさっぱりしました。覚えやすいですね。

では、具体例をあげて確認していきましょう。

 

例題

1.ものも食はず。

2.咲け花。

3.何事ぞと答ふ声すなり。

 

1は「れ」の上がア段音なので助動詞「る」

2は「る」の上がエ段音なので助動詞「り」

3は「る」の上がウ段音なので活用語の一部(下二段動詞「答ふ」)

 

いかがでしたでしょうか。コツさえつかめば意外と分かりやすいですね。

 

 

おわりに

「る」「れ」の識別は、上につく単語を確認するだけで可能です。ただし、忘れないでほしいのは「識別ができたらおわり」ではないということです。このブログでも繰り返しお伝えしておりますが、識別は「読解」のためにあります。文法は、現代に生まれた我々が古文を読むために必要な「ルール」そのものです。「読むために覚える」ということをしっかりと意識ながら文法を学ぶようにしましょう!

 

 

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