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【職業紹介シリーズ】世界を舞台に活躍する『外交官』の魅力とは
2023年10月18日
世界を舞台に活躍し、国際関係を築く外交官。彼らの仕事は、国際社会において重要な役割を果たしています。どなたも、一度は「外交官って具体的にどんな仕事をしているのだろう」と疑問に感じたことがあるのではないでしょうか?
この記事では、外交官の魅力、仕事内容、そして外交官になるためのステップについて紹介していきます。
外交官は、おもに国際関係や外交政策に関わる公務員の一種です。自国の政府を代表して、他国との関係を構築し、維持する役割を担っています。
外交官の仕事内容をみていきましょう。
国際交渉:外交官は、異なる国々との交渉を主導します。国際政治、経済、環境、貿易など、さまざまな分野で合意を築くために交渉し、自国の利益を守ります。
外交政策の策定:自国の政府に対して、国際的な動向や問題に関する情報を提供し、外交政策の立案に貢献しています。国際情勢を的確に分析し、最適な戦略を考えるのも仕事のひとつです。
領事業務:外交官は在外公館での領事業務も担当します。国民の保護や緊急時の支援、ビザ発行などが含まれます。また、在外国民とのコミュニケーションを通じて現地情勢を把握します。
国際危機の対応:自然災害や紛争などの国際的な危機が起きた際に、外交官は迅速に状況を把握し、国民や利益を守るため、さまざまな支援策を講じます。
国際機関での活動:外交官は国際連合や他の国際機関での代表として活動を行います。国際的な問題に対する解決策を模索し、国際協力を推進します。
これらの業務はほんの一部ですが、国際的な舞台で活躍し、国家の利益を守ることが外交官の最も重要な仕事です。彼らの活動は国際平和と安定を維持し、国際社会の一員として重要な役割を果たしています。
では実際に外交官になることで、どのような魅力を感じられるのでしょうか。
国家規模で活躍する仕事
自国を代表して仕事をする外交官には、他の職業では味わえないやりがいと楽しさを感じることができます。毎日が新しいことの挑戦で、退屈な瞬間はありません。国の未来を左右する重要な仕事が多いなかで、強いプレッシャーを感じることも多いかと思いますが、それらを成し遂げたときの達成感は唯一無二といえるでしょう。
国ごとの多様な文化に触れられる
外交官は世界中を旅し、異なる国々の文化や価値観に触れることができます。例えば、言葉や食事、習慣など、他国の人々とコミュニケーションをとりながら、その国の文化や価値観を学ぶことができます。国際友情を築く一翼を担い、世界中の人々とつながることで、自己の成長に繋がり、生涯忘れられないほどの貴重な経験を得られるのです。
外交官としてのキャリアは国際社会における平和と安定に貢献し、多くの人々の生活に影響を与える重要な使命を担っています。そのため、国際的な視野を持ち、世界の課題に対処し、国際社会に貢献したいと考える人々にとって最も魅力的な職業といえるでしょう。
外交官になることは、魅力的な職業である一方で、多くの困難や課題が伴います。
以下に、外交官になる際の大変さを詳しく説明します。
長時間の勉強とトレーニング
外交官になるためには、幅広い知識とスキルが求められます。国際関係、外交政策、国際法などの専門的な知識はもちろんのこと、それらに関連した外国語を習得するためには長時間の勉強と研究が必要です。また、他国との円滑な交渉を行うにあたり、コミュニケーション能力は欠かせません。
外交官になったあとも、学び続ける姿勢をもつことが大切です。
国際的な状況の変化への対応
外交官は常に国際的な情勢の変化に対応しなければなりません。ときには非常に強いプレッシャーのなかで国民に向けて意思決定を行うこともあることでしょう。予期せぬ国際的な事件や紛争が起きた際には、迅速かつ適切に対処する能力が求められます。
遠く離れた国での勤務
外交官は国際的な任務が多いため、家族との距離が離れてしまうことがあります。長期の出張や海外駐在など、家族との時間を確保するのは一苦労。異文化の中で働くため、派遣先に適応する能力や柔軟性が求められるうえに、家族の理解と生活面での考慮する必要があります。
外交官の仕事は魅力的な一方で、多くの責任とプレッシャーを伴うものです。しかし、国際的な問題に取り組む使命感や、国際友好を築く役割を果たすことの充実感は何よりも代え難い大きな魅力となることでしょう。
外交官になるためには、以下の手順や要件を満たす必要があります。
STEP1: 高い学術的・専門的な教育を受ける
外交官職は高い学術的・専門的な知識が求められます。高校を卒業してからそのまま外交官への道を歩むルートもありますが、非常に難易度の高い茨の道となることが予想されます。
おすすめは国際学部や経済学部のほか、法学部、言語学科などがある大学に入学し、採用試験に合格するための知識を身に着けておくとよいでしょう。
STEP2:語学力の習得
外交官は多くの場合、複数の言語を使う必要があります。主要な国際言語(英語、フランス語、スペイン語、中国語など)に加えて、地域の言語や文化に精通することも重要です。語学学校や語学研修プログラムに参加することで、語学力を向上させることができますので、積極的に参加しましょう。
STEP3:入職試験を受ける
外交官としての職務に就くためには、国家公務員採用総合職試験や外務省専門職員採用試験など、各種国家公務員試験に合格することが必要です。
また、外交官採用の選考プロセスは、非常に厳格で競争率も高く、容易になれるものではありません。過去5年間の外務省専門職員の合格率は約10~16%程度。採用試験や面接を通過するためには、より高い知識と能力が求められることでしょう。
これには筆記試験、面接試験、言語能力試験など出題内容は試験先によって異なりますので、自身がどのルートで試験を受けるのか事前にホームページで確認しておくことが大切です。
STEP4:実践経験を積む
外務省に就職したあとは、主要7言語から約40カ国語(入職先により異なる)の内、ひとつが研修語として指定されます。1年3ヶ月程度の国内研修では指定された言語の学習や本省での実務を経て、2~3年在外研修にて研修国のさまざまな文化や歴史、政治などを学び外交官としての経験を積んでいきます。
外交官は国際的な交渉や外交活動を担当する専門家であり、国家の利益と国民の安全を守ります。外交官の仕事はやりがいもある反面、厳しい競争環境や責任の重さも伴います。外交官になるためには語学力やコミュニケーション能力はもちろんのこと、他国への深い理解と広い視野を磨いておきましょう。