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9月12日は宇宙の日!宇宙産業は「SDGs」で「町おこし」?

2023年09月06日

9月12日は宇宙の日です。国際宇宙年であった1992年に日本の科学技術庁と宇宙科学研究所が制定した記念日です。公募により、毛利衛が日本人として初めてスペースシャトルに搭乗して飛び立った9月12日に定められました。

 

日常的には、あまり宇宙を身近に感じることは少ないかもしれませんが、2023年は宇宙開発業界や宇宙に興味がある皆さんにとって、注目の年になりそうです。そこで今回は、日本の宇宙関連情報や研究、宇宙産業についてご紹介します。

宇宙飛行士・古川聡さん、国際宇宙ステーションの長期滞在スタート

8月26日午前3時27分(日本時間26日午後4時27分)、古川聡・宇宙飛行士(59)らを乗せた米民間宇宙船クルードラゴンが米フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられ、27日午前9時15分頃(日本時間27日午後10時15分頃)、国際宇宙ステーション(ISS)へ到着しました。

 

古川さんは、米欧露の3人の飛行士とともにISSに約半年間滞在し、月探査に向けた水の再生利用や、微小重力の環境を利用した高品質のたんぱく質結晶生成、立体臓器の培養などの科学実験に取り組む予定です。

 

来年以降、油井亀美也飛行士(53)もISSの長期滞在を予定しています。ISSでの日本人飛行士の活躍が楽しみですね。

14年ぶりに日本人宇宙飛行士候補者が誕生

2021年11月19日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から13年ぶりに宇宙飛行士候補者の募集が発表されました。応募者は過去最多の4127人に上り、2022年4月から複数の試験や面接などの宇宙飛行士選抜試験が実施され、14年ぶりに2名の日本人宇宙飛行士候補者が誕生しました。

新しい宇宙飛行士候補者はどんな人?

今回の選抜試験で、約2000倍の難関を突破して宇宙飛行士候補者となった二人の経歴を簡単にご紹介します。

 

諏訪 理(すわ まこと)さん 

46歳 史上最年長 

現職:世界銀行 上級防災専門官

宇宙飛行士候補者試験2度目の挑戦で合格を掴んだそうです。

 

米田 あゆ(よねだ あゆ)さん

28歳 平成生まれ初の宇宙飛行士候補者  

現職:日本赤十字社医療センター 外科医師

 

年齢も経歴も異なる二人が選ばれました。宇宙飛行士に必要とされる素質は、本質的には変わりはありませんが、その時代ごとに求められる人材が変化しているそうです。

 

今回の募集で求められたのは「月面での活動に従事でき、その体験を広く世界中と共有する表現力と発信力がある人材」。

 

諏訪さんは二度目の応募で合格を掴みました。宇宙飛行士を目指すには、一度不合格でも夢を諦めず、健康管理に気を付けて、いつチャンスがきてもチャレンジできるように、日々努力することが重要なのかもしれませんね。

拡大する宇宙産業市場

ここからは、宇宙産業の現状や日本で行われている宇宙にまつわる研究について、ご紹介します。

 

宇宙産業の市場規模は、世界では40兆~65兆円、日本国内では約7兆円といわれており、2040年代には、世界の宇宙産業市場は100兆円規模に膨らむと予測されています。

 

とくにここ7、8年は、宇宙産業以外を本業に持つ企業の参入が相次いでおり、ソニーやトヨタ、タカラトミーなど、大企業だけでも100社以上が宇宙産業にあらたに参入し、JAXAはベンチャー企業を支援する窓口を設けて企業の宇宙産業参入を支援しています。

100万円で宇宙旅行も夢じゃない?

宇宙産業は、企業にとってだけでなく、私たち生活者にとっても身近になる日が近づきつつあるようです。2023年、アメリカのスペースX社は民間人だけの宇宙旅行を複数計画しています。また、日本では、前澤友作氏が月の周回旅行を実施予定と発表しました。

 

現在、民間人の宇宙旅行の手段として注目されているのが、宇宙観光用の気球で成層圏へ上るスペースバルーンです。成層圏とは、飛行機が飛ぶよりさらに上の、1万m以上の上空で、気温が一定していて気象の変化がなく、約50kmの厚さで地球を取り巻いている大気の層を指します。空気が薄く、宇宙の入り口の景色を体験できるといわれています。

 

スペースバルーン内では、重力や酸素が確保されているため、特別な知識・訓練・宇宙服を必要とせず、老若男女問わず安全に宇宙に行くことが可能な設備として注目されています。但し、現時点では、スペースバルーンでの宇宙旅行は非常に高額です。片道2時間、成層圏に2時間滞在の合計6時間の宇宙旅行が約1600万~2000万円といわれています。

 

そんな宇宙旅行の低価格化を目指しているベンチャー企業が北海道にあります。株式会社岩谷技研は、自社開発のスペースバルーンで2023年度中のサービス開始を目標に、現在、安全確保のためのテスト飛行を繰り返しています。将来は100万円台で行ける宇宙旅行を目指しているそうです。

宇宙長期滞在に向けて進む研究

東京理科大学では、各方面の企業と連携し、宇宙・月面に長期滞在できる居住空間実現のための研究が行われています。

 

宇宙空間では、私たちの生活に必要なエネルギーや食糧を、できる限りリサイクル・地産地消することが必要です。そのために、「水・空気の浄化技術」「健康の維持・生活を快適に保つ技術」「宇宙で野菜を栽培するスペースアグリ技術」などの研究が進められています。これらの技術は宇宙空間だけでなく、地球上での資源リサイクルやSDGsの実現にも活用できる技術として期待されています。

宇宙港で町おこし

日本は国土の東と南に海が広がり、世界的にみてもロケットの打ち上げに適した立地です。国内でロケットの打ち上げができる場所は、JAXAの発射場として有名な鹿児島県種子島をはじめ、大分県大分空港、和歌山串本町、北海道大樹町、沖縄県下地島の6カ所あります。

 

いま日本を含める世界各地で、ロケットの発射場を宇宙版のエアポートを意味するスペースポート(宇宙港)として整備し、宇宙産業の中心地として発展させる計画が進められています。宇宙港の建設は、関連企業の誘致や地域の認知度拡大、観光の活性化につながることから、町おこしとして宇宙港の建設に注力する自治体が増えています。

 

北海道大樹町も宇宙港構想に注力している自治体のひとつです。

2019年5月4日、日本初の民間単独による宇宙空間到達に成功したロケット「MOMO3号機」は、北海道大樹町にある企業「インターステラテクノロジズ」の実験場に隣接する北海道スペースポートから打ち上げられました。インターステラテクノロジズは現在、MOMOで得た技術を活かしたあらたなロケット「ZERO」開発中です。ZEROは、観測用のMOMOとは違い、衛星を宇宙に輸送することを目指しています。このように、大樹町では宇宙産業に積極的な企業を誘致し、宇宙版シリコンバレーを目指しています。

 

以上、今回は、宇宙産業にまつわる国内の動きをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。宇宙に関わる仕事は宇宙飛行士だけでなく、さまざまな分野の研究や宇宙港の運営などに広がりをみせています。宇宙に興味のある方にとっても、宇宙関連の仕事に携わるチャンスか増えていくかもしれませんね。

 

参考:BS11「宇宙のはなしをしよう!」

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