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子どもたちの幸せのために!4月に始まる「こども家庭庁 」とは?

2023年02月28日

2023年4月1日に、内閣府の外局として、「こども家庭庁」が新設されます。子育て中の方や、18歳未満の方に関係する新たな政府機関の誕生です。そこで今回は、「こども家庭庁」の内容や目的について、紹介していきたいと思います。

 

※外局:日本政府の内閣府または省に置かれる、特殊な事務、独立性の強い事務を行うための組織。

「こども家庭庁」とは?

こども家庭庁は、すべての子どもが、自立した個人として、平等に、健やかで、幸せな状態(Well-being)で成長することができる社会の実現をめざし、子どもや子育て当事者の視点に立った政策立案や、子どもや家庭の抱えるさまざまな課題に対して包括的支援を行うことを目的に設置される国の行政機関です。

 

これまで、文部科学省、厚生労働省、内閣府などの各府省に分散していた、子どもに対する行政業務やこども政策に関する権限を集約し、制度や組織による縦割りの壁を越えて支援をするための司令塔としての役割を担います。

「こども家庭庁」の目的

“常に子どもの最善の利益を考え、子どもに関する取り組みや政策を社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」の実現”を創設の目的に掲げているこども家庭庁は、次の基本理念を定めています。

 

  • こどもの視点、子育て当事者の視点に立った政策立案
  • すべての子どもの健やかな成長、Well-beingの向上
  • 誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援
  • こどもや家庭が抱える様々な複合する課題に対し、制度や組織による縦割りの壁、年齢の壁を克服した切れ目ない包括的な支援
  • 待ちの支援から、予防的な関わりを強化するとともに、必要なこども・家庭に支援が確実に届くようプッシュ型支援、アウトリーチ型支援に転換
  • データ・統計を活用したエビデンスに基づく政策立案、PDCAサイクル(評価・改善)

 

少し専門的な用語も含まれていますが、妊娠・出産の支援からこどもの安全、いじめ防止、不登校対策、ヤングケアラーやひとり親家庭の支援、障害児支援、貧困対策まで。こどもにまつわる幅広い課題に総合的な支援をし、こどもが健やかに成長できる環境を整えるための機関になるでしょう。

 

こども家庭庁の創設に伴い、令和5年4月1日に、子どもにまつわるすべての政策の基盤となる「こども基本法」が施行されます。

こども基本法制定の背景

少子化が進み子どもの総数が減少している日本ですが、児童虐待通報は急増し、いじめ、自殺、不登校の深刻化など、子どもが生きづらい世の中になっています。にもかかわらず、日本には子どもに関わるあらゆる場面で、子どもの権利が守られるべきと定める基本の法律がありません。日本は子どもの権利が守られているとは言いがたい現状なのです。

 

日本では整備が遅れていますが、世界的には「子どもの権利条約」という国際条約が1989年の第44回国連総会で採択され、1990年に発効されました。日本はこの条約に1994年に同意しましたが、国内の法整備が行われなかったため、国民の認知は広がらずにいまに至っています。

 

日本には現在、「児童福祉法」「母子保健法」「教育基本法」「少年法」「児童虐待防止法」「子どもの貧困対策推進法」「成育基本法」など子どもに関わる様々な個別の法律はありますが、子どもを権利の主体として位置づけ、その権利を保障する総合的な法律が存在しません。

 

2016年の児童福祉法改正で、その理念に「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」と書かれ、“子どもの意見や利益は優先して考慮されるべきこと”として、子どもの権利条約について触れています。しかし、児童福祉法は福祉分野の法律であり、教育や司法の分野に及ぶものではありません。子どもの課題は相互に関連していますが、子どもの権利侵害に関する裁判においても子どもの権利条約を基盤とした判例はなく、国内法に定められていない影響は大きいといえます。

 

今回施行される「こども基本法」は、子どもをめぐる問題を抜本的に解決し、養育、教育、保健、医療、福祉等の子どもの権利施策を幅広く、整合性をもって実施するために、憲法及び国際法上認められる子どもの権利を包括的に保障する法律になります。

 

以上、今回は、「こども家庭庁」と「こども基本法」について紹介しました。

子どもや子育て中の皆さんが健やかに過ごせるように、私たちも社会の一員として、身近にできることから考えてみましょう。

 

<おまけ>

静岡県の子育て支援ポータルサイト

https://www.fujisancco.pref.shizuoka.jp/

 

山梨県 子育て支援局

https://www.pref.yamanashi.jp/shienkyoku/index.html

 

参考:みんなの教育技術、こども基本法

 

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