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4,000年前からあった!?『傘』の歴史とその魅力について解説

2022年05月18日

皆さんは、雨の日『傘』をさしますよね?

雨傘、日傘、折り畳み傘など、さまざまなデザインの傘をお持ちかと思います。

 

その『傘』いつ誕生したかご存じですか?

 

実は意外と知られていない傘の歴史と、その魅力についてお話していきます。

 

『傘』の始まりは約4,000年前まで遡る

 

傘が初めて使われだしたのは約4,000年前の、古代エジプトやペルシャ。当時の壁画にも、その様子が残っています。

当時は雨をしのぐことを目的としておらず、太陽の陽射しを遮ることを目的とした日傘として使われだしました。現在のように開閉機能はなく、常時開きっぱなしだったそうです。

 

その後、傘はヨーロッパに渡り“富の象徴”として多くの貴族が使用することになります。

13世紀頃(西暦1201〜1300年)のイタリアでは、傘の骨組みとなるフレームが考案され、18世紀頃になると現在のような傘の形状になりました。

 

これまで日傘として使われていた傘でしたが、次第に雨避けとして傘をさす人が増えていったそうです。

 

日本に傘が伝わったのはいつ?

 

日本に傘が伝わったのは平安時代(西暦794〜1185年)後期。仏教文化の教えとともに中国から伝わりました。当時の日本も雨傘ではなく、魔除けや日よけとして使用されていたそうです。

安土桃山時代になると傘の開閉ができるようになり、和傘が一般的に普及することになるのは、そこからさらに時が流れて江戸時代中期頃となります。

 

また江戸後期の文化元年(西暦1804年)には、中国からの船に「黄どんす傘一本」と洋傘なるものの記述があり、これが日本最古の洋傘なのではないかとされています。

 

その後、嘉永6年(西暦1853年)の黒船来航により、多くの人々に洋傘の存在を知らせることとなりました。その結果、国内でも洋傘が次々と普及し始めたのです。

 

洋傘と和傘の違いってなに?

「和傘」と「洋傘」どちらも同じ用途として使用する傘ですが、具体的にどの部分に違いがあるのでしょうか?

 

◎和傘

和傘は和紙、竹、木などの自然素材でつくられている傘の総称となります。

番傘、蛇の目傘、日傘・舞傘など、和傘にはさまざまな種類があります。

洋傘と比べて、36本から多いものだと54本まで傘の種類や用途によって骨の数が異なります。和紙でできた小間(こま)の部分が閉じたときに畳み込めるように、それだけ骨の数が必要となります。

開いたとき、閉じたとき、どちらも美しくみえるのが和傘の魅力のひとつですね。

 

◎洋傘

洋傘は、おもに鉄、ポリエステル、綿など機能性を重視した素材で作られています。

ワンシーズンで使い切ってしまう和傘に比べて、軽く耐久性に優れているのが洋傘の特長です。また低コストで量産できる点から、コンビニでも手軽に購入できますよね。

通常の傘のデザインだけでなく、折り畳み式の傘としても応用が効きやすく、近年では多くの方がこの洋傘を利用しています。

 

機能性に優れた洋傘、デザインとおもむきのある和傘。

使う際の用途や背景に応じて使い分けることで、より一層傘をさすときが楽しくなるのではないでしょうか。

 

日本と世界の傘事情

では次に、世界の傘事情にも目を向けてみましょう。

 

2014年にウェザーニュースが取り上げた世界の傘所持ランキングによると、一人当たりの平均所持本数第1位は日本の3.3本、2位はスウェーデン、タンザニア、南アフリカの3.0本、3位は韓国の2.8本といった結果となりました。

 

さすが日本!一人あたり約3本傘を所持しているのは少し驚きましたね。

 

また「雨で服が濡れるのは気になりますか?」といったアンケートを行ったところ、「とても気になる」と答えた人の割合は、世界平均18%に対して日本は25%の人が気にしているということがわかったそうです。

 

日本は年間を通して湿度が高く、一旦濡れてしまうと乾きにくいといったことから傘を多用する人が多いのではないでしょうか。

 

一方、このようなアンケートも行われました。

「これまでに傘を何本なくしましたか?」といった質問に対して、日本の平均は4.9本。男女の比率で比較すると、女性よりも男性の方が傘を紛失した人の割合が多かったようです。

 

皆さんも、出かけた先で置いたまま帰宅してしまったり、コンビニなどで置いた傘が盗られてしまったり、なんてこともありますよね。

 

最近ではそんな傘の紛失を防止すべく、スマートフォンと連動し一定以上離れたら通知してくれる傘や、目に見えるところに傘を置けるハンガーなど、さまざまなアイデアが考案されています。

 

長きにわたる歴史のなかで、人々の身近なアイテムとして活躍する『傘』。

時代の流れや用途に合わせて、少しずつ姿形を変えて今のデザインとなりました。

それでもまだ「完璧に雨や陽射しを防げるもの」ではありませんよね。現在はドローンを利用した「手に持たなくてもいい傘」なんてものが開発されているようです。

 

今後、もしかしたら今とはまた違った形の傘が登場する日が来るかもしれませんよ。

 

(参考:日本洋傘振興協議会

(参考:有限会社 辻倉『和傘、蛇の目傘、番傘の違いについて』

(参考:ウェザーニュース 世界の傘事情

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