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どこに相談すればいい?【中・高校生の不登校】公的支援と相談窓口

2025年01月15日

近年、中学生と高校生の不登校者数は増加傾向にあります。文部科学省の調査によると、中学生の不登校者数は令和5年度で約21万6千人、高校生では約5万6千人に上ります。割合としては中学生の約15人に1人、高校生の35人に1人が不登校であることを意味しており、今や不登校はめずらしいことではなく、誰もが不登校になる可能性をはらんでいるといえます。

 

そこで今回は、近年多様化している不登校の要因や、国や自治体の中学生・高校生それぞれに対する不登校支援の概要、子どもが不登校になったときに保護者がどのように対応すればいいのかなど、中高生の不登校に関する情報をご紹介します。現在、子どもが不登校でなくても、いざそのときが訪れたときに慌てないために、ぜひお読みください!

増加する中学生・高校生の不登校の要因は?

不登校の原因はひとつではない場合があり、以下のような多様な要因が絡み合っています。また、近年では、SNSの普及も不登校の要因の一つとされています。

 

  • 学業不振や友人関係のトラブル
  • 家庭環境の変化(親の離婚や転居など)
  • いじめや教師との不和
  • コロナ禍による生活リズムの乱れ
  • 高校生に特有の進路への不安や経済的な問題
  • SNS利用の影響

 

若年層のコミュニケーション・情報収集ツールがSNS中心となったことで、不登校の要因の一つとして、以下のような影響が指摘されています。

 

  • オンラインいじめ: 誹謗中傷や仲間外れが原因で不登校に至るケースが増加
  • 自己肯定感の低下: 他者の成功や楽しそうな生活を見て、自己否定的な感情を抱きやすくなる
  • 依存性: 過度な利用が生活リズムを乱し、学校への出席意欲の低下
  • 学校外でのトラブル: SNS上のトラブルが学校生活にも波及

 

一方で、SNSは孤立感を和らげる居場所としての役割を果たす場合もあります。保護者も子ども本人も、リスクを理解して適切に利用することが重要です。

 

つぎに、中学生・高校生の不登校に対する国や自治体の支援策をご紹介します。中学校は義務教育、高校は義務教育外のため、支援の内容に異なる点があります。

中学生の不登校に対する公的支援策

1.スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー:

各学校に設置されたスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーが、相談を通じて不登校の背景にある問題を分析し、解決に向けて支援を行います。

 

2.自治体の教育支援センター(適応指導教室): 

各自治体が運営する施設で、学習の遅れを取り戻すための学習支援や、学校復帰に向けた支援が行われます。

 

3.オンライン学習支援: 

自宅で学習できるオンライン教材やオンライン授業などを活用した学習支援が行われる場合があります。

 

4.フリースクールやフリースペース:
学校以外の学びの場として活用できます。自治体によっては、利用費用の補助を受けられる場合があります。

高校生の不登校に対する公的支援策

高校生は義務教育期間ではないため、学校復帰だけでなく、進路変更や就労など、多様な選択肢を視野に入れた支援が行われます。

 

1.オンライン学習: 

オンライン教材やオンライン授業などを活用した学習支援が行われる場合があります。

 

2.フリースクール: 

中学生と同様に、フリースクールに通うことも選択肢となります。

 

3.通信制・定時制高校の活用:

柔軟な学習スタイルを提供し、不登校生徒にとって重要な選択肢となります。全日制から通信制や定時制への転校がスムーズに行える制度が整備されています。

 

4.経済的支援:
授業料免除や奨学金制度が利用でき、家庭の経済的な負担を軽減します。

不登校で出席日数が不足したときの対応

不登校が続き、出席日数が不足した場合、中学・高校で次のような対応が取られます。

 

1.学校外での学びを出席扱いにする
教育支援センターやフリースクール、オンライン授業での学びが認められる場合があります。

 

2.補習や課題学習の提供
特別な補習や課題を通じて、不足分を補います。

 

3.個別の教育支援計画の作成
個別の状況に応じた支援計画を作成し、進級や卒業を可能にします。

高校生の場合、進路変更の選択肢も含め、学び続けることが優先されます。

 

いずれにしても、学校側に状況の説明を行い、コミュニケーションをよくとりながら相談することが重要になります。

子どもが不登校になったとき、保護者はとるべき対応は?

子どもが急に学校に行かなくなったとき、保護者は大きく動揺するかと思います。そんなとき、子どもにどのように接すればいいのか、また、どこに相談すればいいのかをご紹介します。

 

1.子どもの気持ちを受け入れる
責めるのではなく、まずは話を聞き、気持ちに寄り添いましょう。

 

2.学校や専門家と相談する
担任やカウンセラーに相談し、適切な支援を得ましょう。

 

3.柔軟な視点を持つ
学校復帰だけを目標にするのではなく、子どもの成長を長期的に支える姿勢を持ちましょう。

 

4.SNSの適切な利用を促進する
SNSの使用により子どもが精神的な居場所を持てるようでしたら、リスク管理を行いながら、安心してSNSを活用できるようサポートしましょう。その際、犯罪に巻き込まれたり、自己肯定感の低下につながらないように、危険性や情報の正確性の判断方法などを親子でよく話会うことが重要です。

 

5.保護者自身のケアも忘れない
不登校は長期間にわたることがあります。子どもにとって家庭が安らげる場所であり続けるためにも、保護者自身の心身の健康がとても重要です。地域の支援グループや相談窓口を活用し、保護者自身のストレスを軽減しましょう。

【相談窓口情報】

・学校の相談窓口: 

担任の先生や養護教諭、スクールカウンセラーなどに相談することができます。

 

・児童相談所:

 厚生労働省が管轄する児童相談所では、不登校を含む児童に関する様々な相談を受け付けています。

 

・子ども家庭支援センター:

 各自治体に設置されており、子育てに関する相談全般に応じています。不登校についても相談が可能です。

 

・教育委員会: 各自治体の教育委員会には、不登校の児童生徒や保護者をサポートする専用窓口が設置されています。

 

上記以外にも、NPO法人などの民間団体が運営する相談窓口もあります。

 

以上、今回は、中学生・高校生の不登校に対する支援と保護者の対応についてご紹介していきました。

不登校の背景や状況は一人ひとり異なります。まずは上記の相談窓口に相談し、専門家のアドバイスを受けながら、各家庭に合った支援を見つけていくことが大切です。国や自治体の支援を活用し、子どもが自分らしい未来に向かって進めるよう、家族一丸となって支えていきましょう。このコラムが、不登校の子どもを持つ保護者の一助となれば幸いです。

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