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【職業紹介シリーズ】獣医師ってどんな仕事?仕事内容や魅力をご紹介
2022年11月23日
皆さんは『獣医師』にどんなイメージをもっていますか?
「動物が好き」「ペットの病気や怪我を治す仕事」
医療従事者として、動物たちを専門に診るのが獣医師の仕事だとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際獣医師は動物たちに医療を行うことだけが活躍の場ではないのです。
今回は、そんな幅広い現場で活躍する『獣医師』の魅力についてご紹介していきます。
獣医師は、おもに犬や猫などのペットはもちろんのこと、牛や馬、豚などの飼育動物に関しても怪我の治療や病気の予防などを行う専門職となります。
一般的にイメージされるのは『動物病院で働く姿』かと思いますが、実際には全体の約6割が動物病院以外の現場で、そのスキルを発揮しています。
例えば、農業共済組合や市区町村の家畜診療施設、牧場などには家畜を専門とする獣医師が勤めています。また、皆さんが一度は訪れたことのある動物園や水族館にも、獣医師が常駐するケースがあります。
ほかにも、食品関係の企業や保健所、空港、製薬会社など、医療に関わらず獣医師は多岐に渡って活躍しています。
では次に、獣医師になることでどのような魅力と大変さがあるのでしょうか。
動物の命を助ける仕事
「ペットは家族の一員」というように、動物は人々にとって身近な存在です。そんな彼らがいつまでも元気な姿でいるためには、健康なからだで居続けることが大切。万が一、病気や怪我をしてしまったら…そんなときに活躍するのが獣医師の存在なのです。
寿命やからだの構造、大きさも千差万別あるなかで、基礎疾患や加齢による病気の表れ、怪我など、さまざまな症状に基づいて、迅速かつ的確な処置が求められます。
弱っていた動物が、治療により元気を取り戻していく姿を見られるのは獣医師として強くやりがいを感じられる瞬間といえますよね。
仕事の幅が広がる
多岐に渡り、さまざまな場面で活躍する獣医師の仕事。
働く場所によって診る生き物も働き方も異なります。経験を積み独立して開業医になる方もいれば、動物園の飼育員として働く方もいます。一方で、医師としてではなく商品開発や食品衛生の専門家として仕事に携わることもできます。
獣医師は、なにも動物の治療にあたることだけが仕事ではありません。
陰ながら私たちの生活を支え、専門知識や技術を駆使して社会貢献もできる素晴らしい仕事なのです。
意思疎通のできない難易度の高さ
いつから、どこが、どんな症状が出ているのか、動物には人間と同じように言葉を話すことはありません。そんな彼らを相手に、獣医師は日々動物たちの命を救う活動をしています。飼い主からのヒアリングやからだに現れる些細な変化に気付き、的確な処置を行わなければなりません。
会話をすればわかることも、その手段が得られない獣医師にとっては、とても難しい仕事だと言えます。
結果が必ず報われるわけではない
これはどの医療現場でもいえることですが、すべての命を救うのは決して容易なことではありません。
獣医師は、犬や猫、鳥、家畜や動物園の動物にいたるまで、幅広い生き物のからだを理解し、症例や怪我の傾向などを熟知していなければなりません。
上述でもあるように、動物は人間の言葉を喋ることはできません。
尽力して治療を行ったとしても、ときには助けられない命もあります。
獣医師として活躍していくためには、強い忍耐力と精神力が求められることでしょう。
そんな魅力や大変さも兼ね備えた獣医師ですが、実際になるためにはどうしたらいいのでしょうか。
獣医師になるためには、獣医師国家資格を取得する必要があります。
そのためには、まず獣医学系の学部で6年間学び、獣医師国家試験に合格することで獣医師の免許が取得できます。国家試験の受験資格として、獣医系の大学に6年間通っていたことが条件となりますので、高卒で獣医師資格を取得するということはできません。
獣医師国家資格の概要は以下の通りです。
試験は、必須問題に関する試験と学説に関する試験および実地に関する試験の多肢選択方式(マークシート)で出題されます。
【試験内容】
・必須問題に関する試験 50問
・学説に関する試験 160問
・実地に関する試験 120問 計330問
獣医師国家試験の合格率は例年80%前後を維持しており、大学の養成課程できちんと学んでいれば資格取得も難しくないといえるでしょう。『農林水産省』のホームページにて、過去の試験内容が公開されていますので、繰り返し問題を解いて出題傾向を掴んでおくといいですね。
また獣医師の資格をもち公務員として働きたい場合は、獣医師国家資格に加えて公務員採用試験に合格する必要があります。
「動物が好き」その気持ちは獣医師にとって欠かせません。愛情をもって動物たちと向き合い、たとえ小さな命でも見逃さない、そんな強い想いをもった人にとって、獣医師の仕事は天職といえるのではないでしょうか。